賞与にかかる社会保険料について
1.賞与にも社会保険料がかかります
社会保険の被保険者となっている従業員に対して支払われた賞与には、社会保険料がかかります。
その為、その賞与が従業員に支払われる時には、社会保険料が控除された金額が、支払われる事になります。
賞与には、社会保険料として、「健康保険料」、「厚生年金保険料」、「雇用保険料」がかかります。
さらに、「健康保険料」には、40歳以上65歳未満の被保険者に限定して、介護保険料も加算されてかかります。
また、会社側独自の負担として、児童手当拠出金もかかってきます。
これらの取り扱いは、基本的に給与の場合と同様です。
【賞与にかかる社会保険料の控除時期】
賞与にかかる社会保険料は、その賞与の支払い時に、天引きする事が一般的です。
例えば、7月に賞与を支払う場合、その7月支払いの賞与額から、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)及び雇用保険料を天引きします。
(注意点)
給与にかかる社会保険料(健康保険・厚生年金分)は、保険料の発生した月の翌月の給与支払い時に、その翌月給与から当該前月の社会保険料を天引きする事が原則的な控除時期とされています。しかし、賞与については、翌月控除はしない場合が多いでしょう。
2.保険料の計算方法
賞与にかかる保険料は、「健康保険・厚生年金の各保険料」と「雇用保険料」の場合とで、計算方法が異なります。
「健康保険・厚生年金の各保険料」は、①賞与総額から1000円未満を切り捨て、②各保険料率を掛けて、求めます。
「雇用保険料」は、賞与総額に雇用保険料率を掛けて、求めます。
3.賞与を支払った時の手続き
被保険者に支払われた賞与について以下の通り、手続きが必要です。
「健康保険・厚生年金」の被保険者に支払われた賞与金額等は、年金事務所に『賞与支払い届』を提出し、届け出します。
「雇用保険」の被保険者に支払われた賞与金額等は、労働基準監督署等に労働保険年度更新手続きにより届け出します。
4.賞与の定義
一般的には、賞与は年間2回程度支払われます。この場合には、その支払いがそのまま、賞与として扱われます。
しかし場合によって、年間3回以上の頻度で、給与とは別に支払われる、賃金の支払いも有ります。
健康保険・厚生年金・雇用保険の中では、年間3回までの場合、賞与として扱われます。
年間4回以上支給される賃金の場合、健康保険・厚生年金・雇用保険の中では給与として扱われます。